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誰も見たことのないストリートで、自分にしかできないトリックを決める。プロスケートボーダー HARUTO の「修行の旅」〜 ZIPTRIP #4  HARUTO in THAILAND 〜 (前編)

「2020年東京オリンピック」で、初めて夏季オリンピックの競技として実施され、日本人選手たちの活躍もあり一躍社会の脚光を浴びるようになったスケートボード。「ストリートカルチャーの代名詞」であったスケートボードが、その認知度や注目度にあわせるように変化を迎えているなかで、ストリートにこだわり続ける若きプロスケートボーダーがいる。それがZIPTRIP第四弾の旅人、HARUTOさんだ。

HARUTOさんは2000年11月22日生まれの、22歳。ご両親の影響で、3歳からスノーボードをはじめたHARUTOさんは、2007年にスケートボードと出会い、2009年にはプロスケートボーダーとしての活動を開始。現在はその飾らない人柄で人気を集め、多くのスポンサーを抱え、ツアーや撮影などで活躍をしている。

挑戦する若者たちの翼になりたい

私たちZIPAIRは、既成概念にとらわれることなく新しい基準を作る「NEW BASIC AIRLINE」を目指す中で、もがきながらも好きなことで輝いている若者たちの姿に共鳴し、彼らの翼になり、次世代のスタンダードを共に創っていきたいと考え「ZIPTRIP~ジブンの翼を探す旅~」を始動。プロジェクトの第四弾として、HARUTOさんと共に、タイのバンコクへと旅をしてきた。

ZIPTRIPを終えてから約1ヶ月が経ったこの日、完成したZIPTRIPの映像を見終えた後のHARUTOさんに「ZIPTRIP」で感じたことや、「これから」について、お話を聞いた。

誰も見たことのないストリートで、滑りたい。

ー  まずは完成したZIPTRIPの映像をご覧になって、いかがでしたか?


HARUTO : 普段からスケボーの映像を撮っているのですが、それはトリックとか、基本的にスケボーだけの映像なんです。だから、こういう形で自分を客観的に撮ってもらう映像は初めてのことだったので、自分にとって、すごく貴重な映像だなって思いました。

ー 緊張はされましたか?

HARUTO : 緊張は・・・なかったですね。ZIPTRIPに関しては、これまでの旅人の方々から「チームZIPAIRに任せておけば大丈夫だから」って教わっていたので(笑)、旅自体への緊張はなかったのですが、こういう形でいただいたチャンスの中で、しっかりと自分が納得できる映像作品を残せるのか?というプレッシャーが強かったですね。

ー ZIPTRIPのお話に入る前に、改めてHARUTOさんのスケートボーダーとしての活動についてお聞きしておきたいのですが、HARUTOさんは「ツアーや撮影」を活動の中心にされているのですよね?

HARUTO : はい。スケートボーダーにはそれぞれのスタイルがあって、大会に出場して優勝を目指す人もいますし、パークで楽しく滑ることが好きな人もいます。自分の場合は、世界のいろいろなストリートでスケボーをして、その姿を映像に記録し、作品として発表することを活動の中心にしています。

ー そのスタイルを選んだきっかけは、何かあったのですか?

HARUTO : スケボーを始めた頃は大会にも出場したのですが、採点されるのが好きじゃないなって思ったのと(笑)、いろいろな人の映像の試写会に行くようになって「イケてるなー!」って思ったんです。映像を見て、仲間同士で盛り上がる。それがすごく楽しかった。もちろん今も気になる大会があれば出ることもありますが、大会はみんなとセッションできる場所という感じで、自分にとってはストリートでの撮影が、一番楽しいですね。

ー 現在もまさに、映像作品を製作中なんですよね?

HARUTO : そうですね。今年中には試写会をやりたいと思っていて、そのためにいろいろな撮影をしています。今回のZIPTRIP(の中のスケボーのシーン)も、その試写会の映像の中に入れられたらいいなと思っています。

ー 「映像作品を作る」という目標に向かっている中で、ZIPTRIPの声がかかったわけですが、旅先にタイを選んだ理由を聞かせてください。

HARUTO : これまでは映像を撮るためにLAなどに行っていたのですが、そうした場所はもう、多くのスケートボーダーたちがストリートで撮影をしているんです。僕の中では「まだ誰も知らない、誰もみたことのないストリートで滑りたい!」という思いがあったのと、もともとお寺などの雰囲気が好きだったり、何よりタイ料理が大好きなので(笑)、行ったことのなかったタイを選びました。

ー 実際に行ってみて、タイはどんな場所でしたか?

HARUTO : とにかく暑かったですね(笑)。実は今、タイはスケートボーダーたちの間で話題の場所なんです。有名なスケートボーダーたちがタイで撮影を始めているので、今回の旅は、自分にとっては今しかないチャンスだなって思いました。実際に、いいスポットが多かったですね。

ー タイのストリートで滑ってみた感想はいかがでしたか?

HARUTO : 自分たちスケートボーダーにとって「路面」って、すごく重要なんですね。路面がしっかりと整備されていると、それはもちろん滑りやすいのですが、やっぱりストリートごとで路面の状態は違うわけで、それもストリートの面白いところだったりするんです。タイはいろいろな路面の状況があったので、面白かったですね。あと景色とか雰囲気もよかったので、やっぱりストリートは楽しいなって感じました。

ー 今の日本だと、ストリートでスケートボードをすることは、難しいですよね。

HARUTO : そうですね。日本はスケートボードの認知も進んできているし、路面もすごくいいのですが、セキュリティとか現実的な問題で・・・正直、ストリートで滑ることは難しいですね・・・。タイは、もちろんセキュリティの人に注意される場面もありましたが(笑)、すごく優しく注意してくれたり、ストリートでも興味を持ってみてくれる人たちがいたり、盛り上がってくれたり、日本では感じることのできない感覚、自由に滑れた感覚がありました。

ー 確かに、ZIPTRIPの映像の中(11:40〜)でも、ストリートの人が盛り上がっているシーンが印象的でした。

HARUTO : あのシーンは自分たちが行ったら「やってよ!」って言ってもらえて。「じゃあやるか!」って滑ったらトリックもバチっと決まって、盛り上がってくれて、嬉しかったですね。あのシーンは、自分の映像の中にも入れたいなって思いました。

ー 改めてストリートの楽しさを感じられたのですね。

HARUTO : そうですね。もちろんパークも大事なんですが、自分の最終ゴールはストリートでトリックを決めたり、滑ることなんです。「パークでできても、ストリートでできなければ意味がない」と思っているので。

ー それではここからは、ZIPTRIPを経験して、HARUTOさんが感じたことや変わったこと、そしてこれからについお話を聞かせてください。

HARUTO : はい!

【「後編 」 へと続く 】