鯖江の技術×リサイクル。アイウェアの “当たり前” がここから変わる
今、大量生産・大量消費・大量廃棄社会のしわ寄せが「海洋環境」に及んでしまっている。知っている人もたくさんいるだろうが、急速に使い捨てプラスチック製品に対して多くの規制がつくられているのは、こうした背景があるのだ。
そして、世界の海にはプラスチックごみが年間800万トンも流れ出てしまっている。このまま何も打開策が実行に移されなければ、2050年には海中のプラスチックの量が重量ベースで魚の量を超えてしまうとさえ言われている。そうなるとクジラやウミガメ、海鳥によるプラスチックごみの誤食や誤飲が増え、それらの個体数は減り、海の生態系が崩れてしまう恐れもある。美しい海や砂浜の景観が損なわれる可能性も……。
つまり、海洋プラスチックごみ問題は、すぐに解決が必要な社会課題のひとつだと言えるだろう。そんな社会課題の解決に向けて力を入れているのが「PLAGLA(プラグラ)」というアイウェアブランドだ。
ビーチクリーンをきっかけに生まれた
アイウェアブランド
PLAGLAは、後のブランド創設者となる柾木要介さんが、ビーチクリーンをしている時に「砂浜のごみを拾う以外にも何かできることはないだろうか?」と考えたことをきっかけに生まれたブランドだ。
彼は約15年間もサーフィンをしながらビーチに流れ着くごみを拾い、最終的に「拾うだけでなく、ごみ自体を減らす努力をしなければこの問題は解決しない」と思ったそうだ。リサイクル素材を使えるように工場に相談するなど、試行錯誤の末に生まれたのがPLAGLAのアイウェア。
ちなみに、ブランド名のPLAGLAは「PLASTIC(プラスチック)」と「GLASSES(メガネ)」の2つの単語を掛け合わせた造語。これには「プラスチック=悪いもの」という価値観を変えるために、あえて「プラ」という言葉を採用し、イメージアップに繋げていく狙いがあるそうだ。
ペットボトル2本分のフレームと
生分解されるレンズ
PLAGLAのアイウェアで採用されているフレームは、約2本分のペットボトル(500ml)のプラスチック原料でできている。リサイクル素材だからといって耐久性が劣っているといったことはなく、しっかりと日本工業規格(JIS)の耐久テストをクリア。約5,000回、テンプル(耳にかける部分)を開閉しても、本体に緩みや歪み、がたつきなどはなかったそうだ。
注目すべきは耐久性だけではない。そのフレームは日本製メガネの生産シェア90%を誇る福井県鯖江市の工場でつくられている。工場の代表は発展途上国で大量にごみが廃棄され、それが環境汚染の一因となっていることを目の当たりにし、PLAGLAの生産に協力しているのだとか。生産元の工場が一緒になってモノづくりをしている点も、ブランドの特徴のひとつだ。
PLAGLAに採用されているレンズにも、こだわりがある。このレンズはバイオポリマー製で、埋め立て処理をすると生分解されるようになっている。商品開発の段階で、アイウェアが使われなくなった後のことまで考えられているのは、ブランドとして本気で課題解決に取り組んでいる姿勢の現れだろう。
こうした特徴のあるPLAGLAだが、彼らは売上の一部を「海の羽根募金」に寄付していることも忘れてはいけない。資金は日本全国の海岸清掃や保全活動の費用として使われており、アイウェアを購入するだけで環境活動に関われる仕組みが成り立っているのだ。
もしも環境を気にかけたいと考えているのであれば、PLAGLAのアイウェアを購入することを検討してみてほしい。
旅のお供にしたいのは、こういう逸品。
PLAGLAの魅力を伝えていこう
ここ数年で多くの人がサスティナブルなライフスタイルを意識したり、直接的に環境を配慮した行動をとるようになっているが、まだまだ足りないのが現状ではないだろうか。こうした状況を踏まえて、近年、旅をしている時にも地球や自然を気にかける「コンシャストラベル」や「レスポンシブルツーリズム」という考え方への注目度も高まっている。
そんな時代の価値観を捉えた、PLAGLA。このブランドのアイウェアを身につけることで、少なくともその一端を体現できると言ってもいいのではないだろうか。さらに、旅先で知り合った人たちに、PLAGLAのブランドメッセージを伝えるのもいい。きっと多くの人が共感してくれるだろうし、そのなにげない行動が、社会課題の解決に一歩近づくことだってできるかもしれない。