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新しいシンガポールの楽しみ方。
最新フードテックを体感!

世界の国や地域の入国規制は緩和されつつあり、日に日に、日本と海外の心理的距離は縮まっている。コロナ以前のように気軽に旅に出ることはまだ難しいかもしれないが、パンデミック真っ只中の頃と比較したら、旅のハードルはかなり下がったと言っても過言ではないだろう。

そんななかZIPAIRは、2022年12月12日(月)より日本(成田)=シンガポール路線を増便する。シンガポールの観光と言えば、「マーライオン」や「マリーナベイ・サンズ」「シンガポール・チャンギ国際空港」などが有名だが、せっかくシンガポールに行くのであれば、定番の観光以外も楽しみたい、と思う人も多いのでは?

今回はシンガポールの新しい楽しみ方を紹介したい。テーマは「シンガポールのフードトレンドを体感する旅」だ。

食料自給率を上げるべく
フードテックに投資金が集まっている

シンガポールが食料自給率を上げるために、国をあげてフードテック企業に投資していることをご存じだろうか?

「Singapore Food Agency(シンガポール食品庁)」によれば、同国の食料生産に利用できる土地は国土のわずか1%ほどで、同国で消費される食料の90%以上が輸入に頼っているという。こうした状況と昨今の予測困難な時代背景を踏まえて、シンガポールは「30 by 30」というスローガンのもと、2030年までに食料自給率を30%にしようと力を注いでいる。

それらを実現するためにスポットライトが当てられているのが「フードテック企業」だ。

ひとくちに「フードテック企業」と言っても、企業数や種類も多ければ、事業内容も幅広いので、なかなか簡潔にまとめることはできない。ただ、同国が特に力を入れているのは「遊休地(利用されていない土地)の利用」と「垂直農園の整備」だ。そして「新たな食品に対する販売許可」も非常にスピーディに行っている。

廃校になった中学校を
都市型農園に

まず、遊休地の利で有名なのが「City Sprouts」だ。彼らは約9,000㎡の廃校になった中学校の土地の一部を都市型農地へと変え、訪れた人が食に関して考えを深められるようなコミュニティを形成している。

コミュニティに参加しているのは、ガーデニングや農業の知識のある人、既存の農業を改善しようとしている起業家、生産性や効率性の向上に取り組む企業。大きな意味で共通した興味や関心を持つ人や企業が一体となることで、シンガポールの食料自給率が上げられると考えているのだ。

そんな信念のもと「City Sprouts」は、ガイド付きファームツアーを提供し、子どもたちのための教育プログラムの整備にも力を入れている。イベントやワークショップにも注目したい。

ファーマーズマーケットや新プロダクトの試食・試飲会などが定期的に開催されているので、ただの観光とはひと味異なる体験ができるだろう。

環境に負荷をかけない
垂直農園

今、世界中で垂直農園が建てられている。狭いスペースでも高い収量を見込め、環境負荷が低いからだ。例に漏れず、シンガポールでも次々と垂直農園が整備されている。

同国で垂直農園のパイオニアとして知られるのが「Citiponics」だ。彼らは住宅街の立体駐車場を農園へと変え、「Aqua Organic System」という独自の農法で、環境問題の解決に取り組んでいる。

というのも、環境問題の要因の1つが農業にあるとされているから。多くの人が実践する農法は化学肥料や除草剤、農薬を使用しているため、土壌や生態系に悪影響を与える可能性が高い。もっと言えば、それらの薬品などによって土壌に固定されている炭素量が低くなってしまっているのだ。

そんな状況を変えるべく、「Citiponics」はテクノロジーを駆使しながら野菜を栽培し、オンラインサイトでそれを販売している。また、同国最大のスーパーマーケットチェーン「NTUC FairPrice」でも販売中だ。

農業が抱える問題を学びながら「Citiponics」の野菜を食べてみると、きっと新しい発見や気づきがあるだろう。

世界で初めて
培養肉の販売を承認

また、シンガポールの食事情を語る上で忘れてはいけないのが「培養肉」だ。これは「クリーンミート」とも呼ばれるもので、動物の細胞から製造された食肉のこと。畜産が環境問題の要因の1つとして上げられているため、その代替策として開発が進められているのだ。

そんな培養肉の販売を世界で初めて承認したのがシンガポールだ。2020年12月に販売されたことをきっかけに、いくつかの培養肉を開発する企業が地元レストランやシェフと手を組み、新たな食材を使用したメニューを消費者に提供している。

最近では、代替卵を販売する企業「Eat Just」が、屋台を集めた屋外複合施設「ホーカーセンター」のシェフとコラボレーションで、代替肉「GOOD Meat」を使用したカレーを販売したこともあった。

この取り組みはすでに終わってしまっているが、シンガポールではこれからも代替肉を使用したメニューや製品がどんどん販売されていくことになるだろう。

「Farm to Table」に
ベジタリアンやヴィーガンも注目

日本でも徐々に知名度が上がってきた「Farm to Table」という考え方。食料自給率が低いシンガポールでは、生産地から直接野菜や果物が送られる「Farm to Table」を強みにするレストランも増えている。

また、こうしたレストランでも当たり前のようにベジタリアン・ヴィーガン対応メニューが用意されているので、食の最先端を体感するにはちょうどいい機会かもしれない。

ZIPAIRの日本(成田)=シンガポール路線が増便されるのは12月12日から。シンガポール旅行を計画している人は要チェックだ。