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これからも、仲間と共に。ダブルダッチパフォーマー KO-YAが踏みだす「次の一歩」(後編)

「前編」はこちらから

”ZIPTRIP” を通して、「仲間」と「ありのままの自分」という「ジブンの翼」を見つけたKO-YAさん。インタビューの後半では、ダブルダッチパフォーマー KO-YAの「これまで」、そして「次の一歩」についてお話を聞いた。

ダブルダッチ以上にハマった、その「想い」。

ー ダブルダッチに出会ったのは大学生の時だそうですが、それまでは何をされていたのですか?
KO-YA :
サッカーに夢中でした。高校卒業のタイミングで、自分の中でやり切った感じがあったのでサッカーも卒業しました。大学になったら、サーフィンでもやろうかなって。


ー そんな中で、どのようにダブルダッチに出会うのですか?
KO-YA :
友達が、ダブルダッチのサークルに誘ってくれたんです・・・でも全然やる気がなかったんですよ、ダブルダッチ笑 むしろやりたくなかったくらい。


ー それでもダブルダッチをはじめていくわけですが、何か「きっかけ」があったのですか?
KO-YA :
若い頃の話なのであまり詳しくは話せないのですが笑、ノリというか、最終的には本当になんでもない些細なことがきっかけで、ダブルダッチのサークルに入ることになったんです。 なんかチャラチャラしてる人たちだなって思っていたのですが、一つ印象的なことがあって、集合するときに指笛を鳴らすんですが、みんなその合図でビシッと集まるんです。それを見て「この人たち、ダブルダッチを真剣にやってるんだな」って。そこで少し気持ちが前のめりになりましたね。


ー そこから徐々にダブルダッチにのめり込んでいく、と。
KO-YA :
元々、HIPHOPやダンスなどのストリートカルチャーが好きだった、ということもありましたが、一番ハマった理由は、その後REG☆STYLEを立ち上げる先輩と出会ったことですね。はじめて見た時に「なんてかっこいい人だ!」って。ダブルダッチのことはよくわからないけれど、とにかくこの人は「かっこいい!」と笑


ー その先輩に憧れて、色々と教わっていくのですか?
KO-YA :
そうですね。練習を見てもらったりもしましたが、それ以上に一緒に飲みに行った時などに「このダブルダッチのサークルは、かっこいい!たのしい!だけじゃなくて、代々先輩から受け継いできた想いがあるサークルなんだ。KO-YA、これからはお前がそれを繋いでいってくれ」って言われたんです。なんかそういうのってかっこいいなって。ダブルダッチにハマっていく、というよりもその「想い」にハマっていきましたね。


ー KO-YAさんは、その「想い」を引き継いだわけですね。
KO-YA :
引き継いだのかはわからないですが、意識はしました。かけてもらった言葉などは、いまだに意識していますしね。


ー そこからKO-YAさんはプロのダブルダッチパフォーマーとして一歩を踏み出していくわけですが、プロという道を選んだ理由を聞かせてください。
KO-YA :
いくつか理由があるんですが、まずはその憧れの先輩が「一緒にやろうぜ!」って誘ってくれたこと。それが本当に嬉しかった。あとは、サッカーをやっている時も思っていたことなのですが、「やるからには、その第一線でやりたい」という思いがあったこと。そして、ダブルダッチを通して自分が「人間として大きく成長できた」こと。こんな素敵なダブルダッチを、もっと多くの人に知ってもらいたい!って思いました。あとは、ダブルダッチをやっている人、みんなが大好きなんです。この人たちといつまでもワイワイしていたい!そんな思いから、プロになる道を選びました。

「次の一歩」には、いつも「仲間」がいた。
ー プロになってからは、世界大会3連覇や個人戦での優勝など、輝かしい成績を残されてきましたが、「ダブルダッチを辞めよう」と思ったことはありましたか?
KO-YA :
一度だけあります。それは、その憧れていた先輩がREG☆STYLEを退いたときです。その時はそれぞれの「一歩」を決断する時でした。先輩たちはみんな理由があって続けていくことが難しい状況で、僕自身もなんだかモヤモヤとしていて、他のメンバーも含めて雰囲気的に「REG☆STYLEはもう解散だね」って。

ー それでも辞めなかったのは、なぜですか?
KO-YA :
結局は、チームメイトでしたね。みんなの気持ちが「解散」に向かっている中で、ある一人のメンバーが僕に「ちょっと話がある」って言ってきたんです。彼は後輩で、それまで何度も「敬語じゃなくていいよ」って言っても変えなかったのに、その時に突然敬語をやめて僕に話しかけてきたんです。「なんかさ、ダサいんだよ!」って・・・「このまま終わるんだ。ダッセーな!」って、何度も強い言葉を投げかけてきた。彼はその時の僕に届くように、わざと強い言葉を選んでいて・・・話しながら、彼の手が震えていたこともすごく覚えていて・・・その気持ちが痛いほど伝わってくるし、言われる言葉は全て図星で・・・その日は家に帰って泣きました。そんな仲間の存在が嬉しかったし、何より悔しかった。結局僕は、ダブルダッチを続けることを決断しました。


ー きっかけはいつでも「仲間」なんですね。
KO-YA :
そうですね。いつも仲間に助けてもらっています笑

ー では最後に「これから」について聞かせてください。KO-YAさんの最終的な目標は、なんでしょうか?
KO-YA :
ダブルダッチは今、オリンピック競技になるために頑張っているのですが、それ以上にもっと大きな世界大会が開催されて、それを多くの人が目にする。きっとその時僕はプレイヤーではないと思うのですが、その様子を仲間たちと一緒に見ながら「乾杯」をするのが、僕の夢です笑

ー オリンピック以上の大きな世界大会、ですか。
KO-YA : それはもうダブルダッチだけじゃなくて、ストリートカルチャーと呼ばれる、あらゆるものが集まっていて、オリンピックを飛び越えて「ストリートフェス」のような形で、世界中に中継される。そんな世界大会です。その様子を仲間たちと一緒に見ながら、乾杯がしたい。

ー そんなストリートの仲間たちも、今後集まってくる予定の “ZIPTRIP” ですが、改めてKO-YAさんの中で、旅に出る前と今、大きく変わったことはありますか?
KO-YA :
やっぱり「チームの大切さ」を再確認したことですね。ダブルダッチは元々「チームスポーツ」なんです。だから僕たちもパフォーマンスを通じて「チームや仲間の素晴らしさ」を伝えていて、その原点を再確認しました。さらに言えば、その「チーム」が、単純に自分のチームだけではなく、今回のチームZIPAIRのように、これから関わっていく人たちとの関わりも「チーム」で、その想いを持ってプロジェクトを進めていくことで、さらにパワーが生まれるなって。


ー KO-YAさんにとっては「これまで」も「これから」も、「仲間と共に」なんですね。
KO-YA :
いまだに「ダブルダッチに惚れている」というよりも「ダブルダッチをやっている人たち、ストリートの人たちに惚れているからダブルダッチを続けている」という感覚が大きいですね。みんな。本当に、いつもありがとう!!!!!