チームの夢と現実を経験した、運命の旅。ボールを操るモンスターたちの「物語」 〜 ZIPTRIP#5 MONSTER BALLAZ in LOS ANGELES 〜 (後編)
海外で活躍することを目標に結成されたフリースタイルフットボールチーム、MONSTER BALLAZ / モンスターボーラーズ(以下、MBZ)。チームとして初の海外挑戦となるダンスの世界大会の前哨戦として、その決戦の地であるロサンゼルス(以下、LA)へと乗り込んだ今回のZIPTRIP。インタビューの後半では、MBZのリーダー的存在であるKazaneさんとIbukiさんに、ZIPTRIPを経験して感じたことや変わったことについてお話を聞いた。
ZIPTRIPで経験した、チームの「夢と現実」。
ー ZIPTRIPとしてLAに行きパフォーマンスをしてみて、手応えはいかがでしたか?
Ibuki : ZIPTRIP初日の1発目のステージは・・・チームとしては厳しく考えるべき現実でした。パフォーマンスの内容自体も問題ではあったけど、それ以上に、見ず知らずの、自分たちが何者かもわかってもらえていない場所で、心を掴みにいく。そこにある漠然とした不安や緊張感が、如実に現れたステージとなってしまいました。
Kazane : これはやばいなって。終わった後すぐに話し合いをしました。それこそ、夜中までずっと。砂が滑るとかコンディションとか、もちろん理由はあるけれど、本番の大会も同じLA。言い訳は、いえないぞって。
Ibuki : 一回とことん楽しもう、細かい部分は帰国してから話そう、と気持ちを切り替えたのですが・・・
Kazane : 2日目、3日目は撮影をしたのですが、そこでもミスが出ました。で、また夜中まで話し合いましたね。普段は話さないことも、たくさん話し合った。ZIPTRIPは楽しい思い出もたくさんあるけれど、それ以上に、チームとしては現実に直面したシリアスな旅だったと思います。
ー 話し合いを重ねていく中で、チームは変化していったのですか?
Ibuki : 正直、ZIPTRIPの最中はメンバー全員が、初めて経験する色々な感情に振り回されていました。でも帰国した後に、それを整理して、いい方向にまとまりはじめたなって思います。
Kazane : 確かに。正直まだ足りない、って思いますが、確実に変わりましたね。
ー ZIPTRIPで、印象に残っているシーンはありますか?
Kazane : 俺はやっぱり・・・Yoのケガですね。この出来事が起こる前に、チームで決めたのが「ミスらず、できるまでやる!」だったのに、いきなりもうできないじゃんって。結局軽傷で済んだのですが、あれは怖かった。
Ibuki : 本人に対してもそうですが、ZIPTRIP初日の開始早々のできごとだったので、この旅は成立するのか?チームZIPAIRの皆さんに迷惑をかけないか?と、とにかく心配でした。何より、MBZとして、これでいいのか?と。
Kazane : もちろんパフォーマンスの特性上怪我はつきものだし、慣れていることとはいえ、プロとしてはやってはいけないこと。今のチームをあらわす出来事でしたね。
「場所の力」と「旅の力」を、痛感した。
ー Ibukiさんが印象に残っているシーンは、ありますか?
Ibuki : 僕は・・・泊まった場所ですね。今回はAirbnbを利用したのですが、メンバーだけでなく、チームZIPAIRの方もみんなで泊まったんです。合宿みたいで楽しかった。2日目の夜には、現地のフリースタイラーとか友人も集まって交流したり、共有する時間もあって、もちろん日本でもそういう機会はあるのですが、その密度が全然違いましたね。
Kazane : 「場所の力」ですね。チームの話し合いも、この場所だったからこそ、いろいろ話せた。本当にZIPTRIPには頭が上がりません。
ー あと3週間(インタビューは7月20日に実施)で本番ですが、現在のチームの状況はいかがですか?
Ibuki : ZIPTRIPの影響が練習にも現れています。この間も練習終わりにKazaneが急にゲストを連れてきたんです。「ラスト一回!ゲストの方に、本番のパフォーマンスをみてもらおう!」って。
ー 今回の旅で経験した「本番での勝負強さ」の部分を、練習でもしっかりとやっていこうと。
Kazane : MBZはどんどんステージに出ていくよりも、しっかり完成させてから勝負しよう!という思いもあったのですが、ZIPTRIPで「それじゃあ、完成しない」と痛感したんです。なので、最近もゲストショーに積極的に参加して感覚を掴んでいます。
ー 「ZIPTRIP~ジブンの翼を探す旅~」。MBZにとって、ZIPTRIPはどのような旅になりましたか?
Ibuki : チームとしての夢を全員で体験させてもらえた旅です。チームの夢は、フリースタイルフットボール・バスケットボールで世界中で活動をし、楽しい時間を過ごすこと。その夢を真っ先に叶えてもらえた旅でした。
Kazane : その通り!(笑)。チームとしての夢が叶った旅だったし、チームの現実を知ることになった旅でした。これ、俺が作った壁紙なんですが・・・LAから帰国する飛行機の中で書いたんですよ。これからMBZがやるべきことを(笑)。
Ibuki : これ、僕も飛行機の中で同じことをしていたので、びっくりしました(笑)。
ー ここに書かれていることは、どんなことですか?
Kazane : ZIPTRIPの最中にチームで話したことです。もちろんこれまでも話はしていましたが、今回はそれをこういう形で残したい、残さないといけないって思いました。
ー ZIPTRIPは、MBZに大きな変化をもたらしたのですね。!
Kazane : そうですね。この夢にもう一度、自分たちの力で戻ってくるために、これからもがんばって行こうと思います!