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誰も見たことのないストリートで、自分にしかできないトリックを決める。プロスケートボーダー HARUTO の「修行の旅」〜 ZIPTRIP #4  HARUTO in THAILAND 〜 (後編)

「前編」はこちらから

まだ見たことのないストリートで映像作品を残すことを追い求めて、初めてのタイへと旅をしたプロスケートボーダーのHARUTOさん。インタビューの後半では、ZIPTRIPを経験して変わったことや、これからについてお話を聞いた。

今回の旅は、今の自分に必要な「修行の旅」。

ー ZIPTRIPでのタイの旅から帰国して約1ヶ月がたち、完成した映像を見た今、改めて振り返ってみて、今回のZIPTRIPはHARUTOさんにとっては、どんな旅になりましたか?

HARUTO : 今回の旅は・・・「修行」だったなって思います。これは帰国してから気がついたのですが、今回のZIPTRIPでの経験がすごく良いトレーニングになっていたんです。例えば、タイのストリートの不安定な路面に慣れたせいか、日本に帰ってきてから今まで以上にトリックが決まったりしたんです。鍛えられたなって。

ー 「修行の旅」ですか。

HARUTO : タイの暑さも、すごく重要でしたね。普段日本では日中にストリートで滑ることが難しいので、パークで練習することがメインになります。でも自分が本当にやりたいのは、日中にストリートで滑ることなんです。撮影も日中がいいし、イベントも日中に行われることが多いので。でもその練習ができないので、日中に調子が上がらなくて、夜に調子が戻ってくる、みたいなこともあって。なので今回の旅で経験したような、暑さとの戦いや、その中でトリックを決めるためにトライを続けることは、今の自分に必要な「修行」だったなって思います。

ー その「修行」を経験して、ご自分に足りていないな、と思うことはありますか?

HARUTO : この旅を終えてから「他の人にはできない技」「自分にしかできない技」を持っていることを、意識しはじめました。自分にはまだ、そういうトリックがない。だからそのための意識付けや、練習、それこそ体幹トレーニングのような筋力トレーニングも含めて、もっともっと練習をしないといけないですね。

ーその「練習」というのが「日中にいろいろなストリートでスケボーをすること」なんですね。

HARUTO : そうなんです。スケボーって本当に無限大なんです。トリックもそうだし、路面やストリートにもいろいろな状況があって、そうした状況をたくさん経験してこそ、「自分にしかできない技」が手に入ると思うんです。なので、さっきもお話したように、今回のZIPTRIPの、あの暑い気候の中で、普段経験したことのない雰囲気や路面、そうした状況の中で滑れたことは本当にありがたい経験であったと同時に、今自分が最も必要としている「修行」だったんだなって思います。

「教える」という、もう一つのジブンの翼。

ー「ジブンの翼を探す旅」。やはりHARUTOさんにとっては、「ストリートで映像作品を残す」ことが「ジブンの翼」なのでしょうか?

HARUTO : そうですね。でもそのために「考え方を変えなくてはいけないな」と思うことがあって、それはもう一つの「ジブンの翼」なのかもって思っています。

ー もう一つの「ジブンの翼」ですか?

HARUTO : はい。実はこれから「スケートボードを教える」ということを、本格的にやっていこうと思っています。ZIPTRIPを経験して、改めて自分がやるべきことは「スケートボード」なんだって強く思ったんです。だからそれ以外の、例えば生活のためのアルバイトなどには時間を使いたくない。じゃあ何をするのか?もちろん、いい映像作品を作って、結果を出してスポンサーの方々についてもらうこともあるのですが、スケートボードを教えることを本格的にやって、そこで稼ぎを生み出さなくてはいけないなって。実はこれまでもスケートボードの先生はやっていたのですが、HARUTOって名前を出さずにやっていたんです。そこを変えていこうかなと。

ー プロのスケートボーダーとして「より強い覚悟を持つ」ということですね。

HARUTO : そうですね。自分の名前がどこまで通用するのか?それによってどれだけの人が集まってくれるのか?もし集まってくれるのなら、それが一つの稼ぎとなって、生活も安定するだろうし、今以上に世界中のストリートに行くこともできる。だから今は、スクールでどんなことを教えようかな、などを改めて整理しています。

ー 挑戦の先には「いろいろなストリートでスケートボードを楽しむ」という揺るがない思いがあるのですね。

HARUTO : はい。とにかくスケートボードをしているときが、一番楽しいんです。いろいろなストリートに行って、自分が納得のいくスケートをしたい。それを映像作品にして、仲間と一緒にその映像をみて、盛り上がりたい。それだけですね。

ー 最後に、今後行ってみたい国やストリートなどがあれば、教えてください。

HARUTO : スペインのバルセロナとカナダ、あとは、中国と台湾ですね。この辺りはスケートボーダーたちの中でも話題になり始めているんです。まだ見ぬスポット、ストリートがそこにあるみたいなので。もちろん、またタイにも行こうと思っています!